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デパートの食堂、午後。
まだ幼い子供達を半ば以上放置して、2人の若い母親同士が話し込んでいる。カラーリングされた巻き毛は少々水分に乏しく、マニキュアにブランドバッグという生で立ち。メンソールの煙草を灰皿が一杯になるほど吸いながらダラダラと時間を費やしている。彼女達が自分を美しいと感じているだろうことはだいたい想像がつく。特に、着飾らないお母さん仲間に対して優越感を抱いていることは。夫の収入がよい専業主婦で、服そうもヘアメイクも確かにあか抜けてはいる彼女達を私は一番汚いと感じる。煙草とハリの無い生活のせいで肌は生気を失い不潔感漂う。つまり『不健康』。他人のうわさ話、ファッション、ワイドショー、どの分野の話題にも深みがない。つまり『無知性』この2つが彼女達を汚くみせるのだ。彼女達に比べれば、着飾らない主婦がどれほど美しく見えることか。忙しい中子育てに走り回り、生命力、健康感があふれている。子供により多く語りかけ、夫と「子供のために規則正しい生活をすること」「子供の前でケンカしないこと」を約束したため、子供の利発さが漂う。そんな健康で知的な女性は、髪を巻いたりブランドバッグを持たなくても充分に美しいものだ。
 
私がメイクをする時に気を配るのは「肌を美しく見せること」「目を大きく見せること」の2つ。もちろん2つ揃えば文句無しだが、肌さえ飛び切りきれいなら、まあ目は良しとすることもある。そして、肌を美しく見せることは女性を若々しく健康に見せることであり、大きな白目とよく動く黒目は、知的興味に満ち満ちていることを表すからである。
メイクの仕事で、もちろん私も髪を巻き、アイライン、マネキュアをするが、デパートで見かける母親達とは目的が180度違う。
私がメイクで表現したいことは『健康』と『知性』の2つなのだ。
 
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